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最終更新日 2024.5.7

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胃カメラってどんな検査?〜上部消化管内視鏡検査まとめ〜

この記事を読むとわかること

アンカークリニック船堀南の内視鏡専門医・指導医が胃カメラに関する記事を書いています。

胃カメラに関する疑問や不安が解決できるように、簡単な言葉を心がけて説明しています。


胃カメラって何歳から必要なの?健康診断では必須?

自分が胃カメラ検査を受ける必要があるかどうかについては、症状の有無で考えるとわかりやすいと思います。胃痛や胃部の不快感、咽や食道のつかえ感、食欲低下、吐血・黒色便、吐き気や嘔吐などの症状がある方はまず医師の診察を受けることが重要です。
胃がんや食道がん、胃十二指腸潰瘍といった怖い病気の症状である可能性があり、医師の診察を受けて検査が必要と判断されれば、胃カメラ検査を提案されます。そのような症状がある方は放置せず、まず病院を受診しきちんと医師の診察を受けることが重要です。

症状がない方でも40歳を過ぎたら健康診断として胃カメラ検査を受けることをお勧めします。胃がんの発症は50歳を過ぎると急に増加していきます。胃がんは早期に発見できれば胃カメラで切除し(内視鏡治療)、根治することができますが、それには症状が出る前に早期のステージで診断することが必要です。また、ピロリ菌の感染が胃がんの発生リスクに大きく関わることもわかっています。胃カメラ検査ではピロリ菌の感染があるかどうかがわかります。一度カメラで胃のなかを見ると、定期検査も何年おきに受けるのがよいか判断できます。


胃カメラでわかること

胃カメラ検査では咽(のど)、食道、胃、十二指腸の一部を見ることができます。それぞれの場所にできた病気を発見し、直接見て診断し、必要な場合には組織の一部を採取して検査(生検)します。

咽については近年、早期の咽頭癌も専門施設では胃カメラを使った内視鏡治療で切除できるようになってきました。しかし咽頭癌は発見が難しい病気です。のどが入り組んだ形をしていて病気が隠れてしまっていること、のどの観察は患者さんが苦しくなって検査が難しい場合があるといったことなどが理由です。

食道では、胃酸逆流が原因で食道が炎症を起こす逆流性食道炎や食道がんなどの腫瘍の有無、そのほかの食道炎などの診断ができます。

胃に関しては、胃炎の診断やポリープ、がんなどの有無を確認し、疑わしい病変があればそれを観察、診断して必要があれば生検検査を行います。胃は特にほかの臓器と違ってピロリ菌の感染が胃がんと密接に関係することがわかっています。ピロリ菌が今現在も胃を荒らしているのか(現感染)、感染したことがあるが今は菌がいないか(除菌後)など、多くのことを胃カメラ検査で知ることができます。胃カメラ検査でピロリ菌感染が疑われた場合にはピロリ菌の感染チェックの検査を受けることができます。逆を言うと保険診療ではピロリ菌チェックを行うには胃カメラ検査を前もって受けることが必要です。


鼻から?口から?胃カメラの太さ

胃カメラ検査には鼻から入れるタイプ(経鼻)と口から入れるタイプ(経口)があります。その違いを簡単に説明すると、起きて楽に受けられるのが鼻からのカメラで、高性能の観察が受けられるのが口からのカメラということになります。経鼻カメラは鼻の穴を通す必要があるため細く作られています(経鼻カメラの太さは5mm、経口カメラは9mm)。

鼻からの胃カメラ検査が楽なのは、検査中のオエっとする感覚(嘔吐反射)が起こりにくいところにあります。嘔吐反射を起こさずに検査を受けるには舌の根本にカメラが触れないようにする必要があるのですが、鼻からカメラを入れると舌の根本を通らないため、嘔吐反射を起こすことが少なくなります。また、鼻からのカメラは口を塞がれないため検査中に会話することができます。

デメリットとしては、鼻の中の通り道(鼻腔)が狭い一部の方は,鼻に痛みを感じられたり、カメラよりも通り道が狭い場合には鼻からのカメラが受けられない場合があります。また、鼻からのカメラはその細さのために、口からのカメラに比べて若干画質は落ちてしまいます。口からのカメラでも、検査前の咽の麻酔と術者の操作次第で苦しくならないようにできますが、患者さんとスコープの相性次第ではどうしても嘔吐反射が避けられない場合があります。

一方で口からのカメラは経鼻スコープに比べて若干太い分性能は高くなります。機種によっては拡大機能といって、粘膜表面の血管や組織の形を非常に細かく観察する機能が備わっていて癌の診断に役立ちますが、そういった機能は鼻からのカメラにはありません。


アンカークリニック船堀南では、経鼻・経口どちらのカメラも備えています。鼻からのカメラは高性能な機種を使用していますので、基本的に観察する上で大きな影響はありません。
口からのカメラの方が一般的に検査は苦しくなるものですが、苦痛が最小限になるような操作を心がけています。経口カメラは拡大機能のある高性能なものを導入していますので、専門施設で受けるような精密検査も可能です。


胃カメラは痛い?、麻酔や鎮静は?どのくらい時間かかるの?

胃カメラ検査では、検査中の辛さを減らすために検査直前に前処置を行います。口からのカメラの場合は咽に表面麻酔を吹きかけます。鼻からの検査の場合には出血予防の薬と表面麻酔を鼻の中に行います。前処置を行うと検査中にカメラが入っている違和感はありますが痛みを感じることはほとんどありません。生検検査などで組織を採取する場合も、痛みは一切ありません。
しかし喉や鼻はカメラの擦れが強かった場合には検査後表面麻酔が切れてくると喉が痛い、鼻が痛いと感じられる方もいます。痛みは人によっては数日続く場合もありますが、自然と消える場合がほとんどです。

胃カメラの検査時間は5〜10分弱です。短いと思うかもしれませんが、実際に検査を受けるととても長く感じるものです。上述のように痛みを感じることはほとんどありませんが、口からのカメラの場合には嘔吐反射が出る方もいます。それが苦しく、つらい思いをされた事がある方もいると思います。そのつらさから必要な検査を先送りにしたり、結果受けなかったりする方もいるのが実情です。それを解消するため、近年は静脈麻酔を使用して鎮静下で検査を行う設備を導入したクリニック、病院が増えてきました。内視鏡で使う麻酔は静脈麻酔薬です。注射・点滴で薬を入れ、半分眠っている(うとうとしている)状態にする麻酔法(意識下麻酔)で検査を行います。これは手術で使用するような、呼吸が止まるまで完全に眠る全身麻酔とは区別されます。静脈麻酔で検査を行うと、気づいた時には検査が終わっていて苦痛を感じることがありません(薬の効果には個人差があります)。静脈麻酔を行う場合には検査前に点滴を入れる必要があること、検査後に目が覚めるまで院内のベッドで1時間程度休んでいただく必要があります。
また静脈麻酔を行った当日は、検査後数時間経った後もふらついたり眠気がぶり返すことがあるため、車や自転車などの運転をすることはできません。一般的には麻酔あり、麻酔なしは検査予約時に選ぶことが多いです。


バリウム検査やカプセル内視鏡との違い、大腸カメラと同時はできるの?

胃カメラ(上部内視鏡検査)の代わりになる検査としてバリウム検査(胃透視)があります。バリウム検査と胃カメラ検査、どっちを受けるのが良いかと聞かれることがありますが、どちらも選べるのであれば胃カメラ検査をお勧めします。
バリウム検査は胃カメラ検査が一般的となる以前からある、歴史の長い検査です。胃カメラ検査よりも若干安価で、慢性胃炎の有無といった胃の状態の確認や早期胃がんなども見つけることができますが、病変が見つかった場合には、胃カメラ検査で直接見て組織を取るなどの二次検査を受ける必要があります。胃カメラ検査が広く受けられる様になった昨今、バリウム検査は検診以外で行われることが少なくなっています。

カプセル内視鏡検査は、カメラが内蔵されたカプセルを飲み込んで行う検査で、胃カメラ・大腸カメラでは見ることができない小腸を観察する検査(小腸カプセル内視鏡検査)として行われます。飲み込んだカプセルが移動中に腸の中を撮影し、その連続写真を解析して検査します。カプセルは自然と流れていき、向きを操作できないためカプセルの向き次第で写らない場所もあります。また組織を採取したり、ポリープを切除するなどの治療はできません。昨今は何らかの理由で大腸カメラ検査が受けられない方を対象にした大腸カプセル内視鏡検査が保険適応となり一部の病院で受けられる様になってきていますが、下剤を多量に服用する必要がある事、組織検査やポリープ切除といった治療ができない事などは小腸カプセル内視鏡と同様です。

胃カメラ検査と大腸カメラ検査を両方とも受ける必要がある場合、両方同日に行うか、別日で行うかは医療機関毎に違いがあります。検査体制として同日に両方の検査を行えない医療機関も多くあります。同日に検査を受けるには大腸カメラ検査のための前処置(下剤の内服)が必要です。胃カメラの後に下剤を飲んでもらって午後に大腸カメラを行う方法、下剤を先に服用してもらい準備が整ったら胃カメラ検査・大腸カメラ検査を同時に行う方法などやり方も施設によって異なります。


胃カメラ、費用はどのくらいかかる?保険は適用される?

胃カメラ検査にはいくらかかるのか。これは、受ける検査が検診なのか、人間ドックなのか、保険診療なのかによって変わってきます。検診に関してはお住まいの自治体によって方法や費用が異なります。人間ドックについては自由診療ですので、検査を受ける医療機関毎に値段が違ってきます。保険診療に関してはそれらとは違って要件があります。食道、胃、十二指腸に何かしらの異常、病気が疑われる、他の検査で病気が見つかり精密検査が必要となったなど、医師によって検査が必要と判断された場合に胃カメラ検査は保険適応になります。
支払い費用に関しては、加入している保険によって自己負担率が1割負担・2割負担・3割負担と異なります。現役世代の3割負担で計算すると保険適応の場合、胃内視鏡検査の支払い総額である自己負担費用はおおよそ5,000円~12,000円程度です。これには使用する薬代なども含まれていますが、値段に幅があるのは観察だけで終わった場合と、追加で組織を採取する生検検査などが必要となった場合で費用が異なるからです。
鎮静薬、静脈麻酔を使用した場合の追加料金について心配される方がいますが、3割負担でも差額は200円にも満たない程度で費用はさほど変わりません。
保険診療では日本全国どこで検査を受けても料金に差はありません(使用する薬の種類によって多少の変動はあります)。


検査前日、当日で気をつけること

胃カメラでは胃の中を空っぽにしてもらう必要であります。そこで色々な疑問や心配が出ることと思います。前日は何時まで、何時間前までにご飯を食べれば良いの?食事の内容は?水は飲んでもいいの?これらの疑問について説明します。

検査2日前までは特に食事制限はありません。前日の夕食・固形物は21時までに済ませてください。その後は飲み物と薬のみ口に入れることができます。飲み物の内容は水やお茶など透明色のものにしてください。前日のおすすめメニューは、うどんやおにぎり、スープ、お粥などで、食物繊維がなく脂質のない食事内容が望ましいです。避けてもらいたい物は、肉類・きのこ・豆・野菜・海藻などの繊維が多い食べ物や、イチゴ・キウイフルーツなどの種の多い果物です。これらを前日に摂取すると検査時に胃内にまだ残っている事があり、検査の質が落ちてしまいます。また乳製品も胃の表面に残りやすいため、前日は避けていただきたい飲料です。
検査終了後は観察のみであれば1時間、生検検査を行った場合は検査後2時間の禁飲食となります。検査当日は胃内が空になっているからといって暴飲暴食すると、胃に大きく負担がかかって調子を悪くしてしまうため、刺激物はさけ、適度な食事量で消化の良いものを摂るようにしましょう。常用されている薬がある場合は、必ず検査を受ける医療機関からの指示に従ってください。


アンカークリニック船堀南では

アンカークリニック船堀南では、がん拠点病院などで内視鏡治療を専門に行ってきた内視鏡専門医・指導医が胃カメラ検査を担当します。
鼻からのカメラ(経鼻スコープ)、口からのカメラ(経口スコープ)を選ぶことができ、また静脈麻酔(鎮静下内視鏡)で検査を受けることもできます。予約制ですが、胃カメラと大腸カメラの同日・同時検査にも対応しています。検査で病変が見つかった場合、当院で対応可能なものは当院で治療やその後の診療を行います。専門病院での治療が必要と判断した場合には、適切にご紹介いたします。都内、近隣の高次医療機関とも連携しています。


おわりに

内視鏡検査をご希望の方、気になる症状がある、自分は胃カメラを受けた方がいいのか?などの疑問や受診に迷うことがございましたら、一度当院にお問い合わせください。


記事監修者

アンカークリニック船堀南院長

野坂 崇仁 医師

東京都の三次救急病院やがん拠点病院で救急から慢性疾患、指定難病、がんに至るまで全ての消化器疾患の診断、治療からフォローアップまで診療に従事し2024年8月より現職。

<略歴>
2012年 東邦大学医学部卒
2012年 厚生中央病院 初期研修
2014年 都立墨東病院 消化器内科後期研修
2017年 がん研有明病院 出向
2018〜2023年 都立墨東病院 消化器内科
<資格など>
日本内科学会認定医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
日本肝臓学会肝臓専門医
日本消化器内視鏡学会関東支部評議員
難病指定医

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