脳神経外科の診療案内
( ※4/2から診療開始予定 )
頭痛専門外来・てんかん専門外来・物忘れ外来・めまい・手足や顔面のしびれ・痙攣・ふるえなどの症状でお困りの方へ
脳神経外科とは|どんな症状・病気を診る診療科?
脳神経外科は、脳(大脳・小脳・脳幹)や脳神経、脊髄、末梢神経といった神経の病気、そして脳血管や脳につながる頚動脈・椎骨動脈などの血管に関わる病気を専門に扱う診療科です。
頭痛、めまい、手足や顔面のしびれ、痙攣、物忘れなどの症状があるときに、原因を見極める役割も担います。
当院では、脳神経外科専門医をはじめ、脳血管内治療専門医、脳卒中専門医、頭痛専門医、てんかん専門医が、症状や検査結果に応じて専門的に診断・治療を行います。
脳神経外科を受診する症状
多くの方が経験する頭痛は、くも膜下出血や脳出血、脳腫瘍など生命に関わる病気が原因となる場合もあれば、片頭痛・緊張型頭痛など生活の質に大きく影響する頭痛が原因となる場合もあり、その背景はさまざまです。
また、物忘れが心配な方、てんかんの専門的な診断・治療をご希望の方(てんかんかどうかわからない方、他院で「てんかんかもしれない」と言われた方)、顔面の痛み(三叉神経痛)や顔面の痙攣、ふらつき・めまい、手足や顔面のしびれ、痙攣・ふるえなどの症状でお困りの方も、些細なことでも構いませんので一度ご相談ください。
必要に応じて、MRI/CTなどの検査を行い、専門医が結果を丁寧にご説明したうえで、治療方針をご提案します。
このような症状がある方はご相談ください
● 頭痛/麻痺(手足が急に動かなくなった、顔がゆがむ など)
● しびれ、感覚の異常
● めまい、ふらつき
● しゃべりにくさ(構音障害)
● てんかん発作、痙攣、ふるえ
● 意識消失、意識障害
● 物忘れ
● 頭部外傷
頭痛
頭痛は、脳神経外科外来を受診される理由の中でも多い症状の一つです。
頭痛は大きく、片頭痛・緊張型頭痛などの一次性頭痛(頭痛そのものが病気)と、くも膜下出血や脳腫瘍など原因となる病気がある二次性頭痛(症候性頭痛)に分類されます。
一次性頭痛の代表である片頭痛は、日常生活に大きな支障を来しうることが知られています。世界疾病負担研究(GBD 2016)では、片頭痛は「障害により失われる健康(YLD)」の原因として世界で上位に位置づけられ、患者負担の大きさが指摘されています。
またWHOも、頭痛疾患が過小評価され、適切に診断・治療されている方は少数にとどまることを示しています。
当院では頭痛専門医が、症状の経過や随伴症状を丁寧に確認し、必要に応じてMRI/CTなどの検査も組み合わせながら、原因の見極めと適切な治療をご提案します。
二次性頭痛(症候性頭痛)は、原因となる疾患によっては生命に関わる可能性があり、適切な診断・治療によって予後が変わる場合もあります。代表的な疾患として、くも膜下出血、脳出血、脳動脈解離(椎骨動脈解離・内頚動脈解離)、可逆性脳血管攣縮症候群、慢性硬膜下血腫、脳腫瘍などが挙げられます。
※各疾患別の紹介
一次性頭痛:片頭痛/緊張型頭痛/群発頭痛
二次性頭痛:くも膜下出血/脳出血/脳動脈解離/可逆性脳血管攣縮症候群/慢性硬膜下血腫/脳腫瘍
めまい
「めまい」といっても、グルグル回るような感覚、フワフワ揺れているような感覚、気が遠のいて目の前が暗くなる感覚など、症状の現れ方はさまざまです。原因も幅広いため、当院では症状の経過やきっかけ、伴う症状を丁寧に確認し、必要に応じて検査を組み合わせて原因を見極めます。
めまいの原因は大きく、
①内耳が原因のめまい
②脳が原因のめまい
③その他の原因によるめまい
に分けて考えます。
①内耳が原因のめまい
メニエール病、良性発作性頭位めまい症、前庭神経炎などが代表的です。
メニエール病:耳鳴り、耳が詰まる感じ(耳閉感)、聞こえにくさ(難聴)などを伴って回転性のめまいが起こることがあります。
良性発作性頭位めまい症:安静時は症状がないことも多く、頭の向きを変えたときに回転性のめまいが誘発されます。聴覚症状を伴わないことが一般的ですが、繰り返すことがあります。
②脳が原因のめまい
脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)、脳腫瘍、てんかん発作などが原因となることがあります。めまいに加えて、次のような症状を伴う場合は、脳が原因の可能性も考え、早めの受診が大切です。
● 手足や顔面のしびれ・麻痺
● ろれつが回らない(構音障害)、言葉が出にくい
● 物が二重に見える、視野がおかしい
● 強い頭痛や後頚部痛
● 意識がぼんやりする/意識を失う
● まっすぐ歩けないほどの強いふらつき
③その他の原因によるめまい
血圧の変動や不整脈によるもの、持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)などが挙げられます。
当院では、神経学的診察を行ったうえで、必要に応じてMRI/CTなどの検査も組み合わせながら、適切な診断と治療方針をご提案します。
しびれ
しびれにはさまざまな感覚が含まれます。たとえば「ビリビリ・ピリピリとした鋭い感じ」「ジーンとした鈍い感じ」「熱い・冷たいなどの感覚がわかりにくい」など、多様な感覚をまとめて「しびれ(感覚障害)」として訴え、受診される患者さまは少なくありません。
当院ではまず、どんなときに(体勢や状況)、体のどこに、どのようなしびれ(感覚障害)が起きるのかを丁寧にうかがい、診察を進めます。
しびれは、感覚の伝わる経路のどこかに障害が起きたときに自覚されます。
原因としては、主に次の可能性があります。
①脳
②脊髄・脊髄神経根
③末梢神経
このうち、しびれの原因としては②脊髄・脊髄神経根が関与するケースが多いとされています。頚椎(首)や腰椎(腰)の骨の隙間を通る神経が圧迫されることで、慢性的なしびれが生じることがあります。単一の神経が圧迫される(頚椎・腰椎椎間板ヘルニアなど)場合には、皮膚分節と呼ばれる神経の支配領域に沿ったしびれが出るのが特徴です。
また、③末梢神経が原因のしびれも少なくありません。末梢神経障害の原因としては、手根管症候群や肘部管症候群などの神経絞扼によるもの、ギラン・バレー症候群やフィッシャー症候群のように免疫が関与するもの、血管炎や膠原病によるもの、電解質異常など代謝異常によるものなどがあります。
一方で、①脳が原因のしびれは頻度としては多くないものの、重大な病気が含まれるのも事実です。片側(体の右半分または左半分)に症状が出て、麻痺や脱力、顔面の感覚障害、頭痛や後頚部痛などを伴うことがあります。特に脳卒中では、症状が突然出現することがあるため、発症した日や時刻がはっきりしているような場合は、速やかにご相談ください。
顔面の痛み、奥歯が痛い『三叉神経痛』
三叉神経痛では、顔の左右どちらか片側に、電気が走るような強い痛みや、奥歯がしみるような痛みを感じることがあります。歯みがき、洗顔、ひげそり、冷たいものを飲む、風が顔に当たるなど、わずかな刺激で痛みが誘発・増悪するのが特徴です。三叉神経痛は、古くから非常に強い痛みとして知られており、1765年には英国の医師・植物学者 John Fothergill が詳しく報告しています。
現在は、内服治療や外科治療など有効な治療選択肢もあります。「顔面の痛みやピリピリとした違和感が続く」「虫歯を疑って歯科を受診したが、虫歯はないと言われた」などでお困りの方は、一度ご相談ください。
また、帯状疱疹ウイルス感染に関連して三叉神経領域に痛みが出ることがあり、発赤・発疹を伴う急性期の神経痛だけでなく、後遺症として神経痛や感覚障害が長く続くこともあります。さらに、インプラント治療や親知らずの抜歯などの歯科治療により、下歯槽神経(三叉神経第3枝:下顎神経の枝)が影響を受けて痛みが残るケースもあります。まれに、多発性硬化症や三叉神経周囲の脳腫瘍などが原因となることもあるため、症状の経過を丁寧に確認したうえで、適切に評価することが大切です。
顔面の痙攣・ピクつき『顔面痙攣・ミオキミア』
顔面の「ピクつき」や「勝手に動く感じ」は、目の周りや口元などの筋肉が自分の意思とは関係なく収縮することで起こります。症状の現れ方はさまざまで、まぶたの一部が細かくピクピクする程度のこともあれば、目の周囲から口元まで、片側の顔全体に痙攣が広がっていくこともあります。
このような不随意な動きのうち、「顔面痙攣(片側顔面痙攣)」は顔面の左右どちらか片側に起こります。顔面痙攣の場合、目の周りが当初ピクピクするだけのことが多いですが、次第に頬や口の周りまで症状が広がり、悪化してくると顔の筋肉がぎゅーっと収縮し歪んだ状態となることもあります。一方、「眼瞼ミオキミア」の場合には主にまぶたを中心に細かいピクつきが続く状態となります。疲労や睡眠不足、ストレス、カフェイン摂取などがきっかけになる場合があります。ただし、症状が長引く・頻度が増える・範囲が広がるといった場合は、原因を整理したうえで適切に評価することが大切です。 当院では、まず「いつから」「どちら側に」「どの範囲が」「どんなきっかけで」起こるのかを丁寧にうかがい、神経学的診察を行います。必要に応じてMRIなどの検査で顔面神経周囲の状態を確認し、症状の原因に応じた治療方針をご提案します。
治療は、誘因(疲労・睡眠不足など)の調整で軽くなるケースもある一方、症状の程度によっては専門的な治療が有効な場合があります。一般的には、薬物療法のほか、ボツリヌス治療や手術治療が検討されることがあります。当院では状態を評価したうえで、必要に応じて適切な医療機関をご紹介し、治療につなげていきます。ピクつきが続く方、症状が広がってきた方は、お早めにご相談ください。
てんかん、痙攣発作、繰り返す意識消失
てんかんは、脳の電気的異常により、発作症状を慢性的に繰り返す病気です。てんかん発作というと「痙攣(けいれん)」を思い浮かべる方が多い一方で、実際には症状の現れ方はさまざまで、本人も周囲の人も発作と気づきにくいことがあります。
たとえば、突然ぼんやりして呼びかけに反応しない、口をもぐもぐ動かす・手を無意識に動かす、同じ動作を繰り返す、急に意識が遠のく、体の一部がピクついてコップを落とす、しびれや違和感が広がる、強い既視感(初めてのはずなのに見たことがある感覚)や恐怖感が突然出る、といった形で現れることもあります。発作のあとにしばらくぼんやりする、強い疲労感が残るといった訴えも少なくありません。
一方で、失神(血管迷走神経反射や起立性低血圧、心血管源性など)、低血糖、睡眠不足・ストレスなど、てんかん発作以外でも「意識がなくなった」「倒れた」と感じる状況は起こり得ます。そのため、診断では「いつ・どこで・どのように起こったか」「発作の前後に何があったか」「目撃された症状」「回復までの経過」などを丁寧に確認することがとても重要です。可能であれば、ご家族や目撃された方からの情報も診断の助けになります。
当院では、てんかん専門医が症状の経過を詳しくうかがい、神経学的診察を行ったうえで、必要に応じてMRI・脳波などの検査も組み合わせて評価します。診断結果に応じて、薬物療法や生活上の注意点(睡眠、体調管理、発作時の対応など)を含め、患者さまの生活に合わせた治療方針をご提案します。
「てんかんかどうかわからない」「他院で“てんかんかもしれない”と言われた」「痙攣はないが意識が飛ぶことがある」など、気になる症状がある方は一度ご相談ください。
物忘れ、認知症・軽度認知障害
「最近もの忘れが増えた」「同じ話を繰り返してしまう」「約束や予定を忘れることが多い」「財布や鍵を置いた場所がわからなくなる」など、物忘れをきっかけに受診される方は少なくありません。年齢とともに誰にでも起こり得る“加齢による物忘れ”もありますが、一方で、認知症や軽度認知障害(MCI)の初期症状として現れることもあるため、早めに原因を整理しておくことが大切です。
加齢による物忘れと、認知症・MCIの違い
加齢による物忘れは、たとえば「昨日の夕食に何を食べたかがすぐに思い出せない」といったように、体験の一部が抜け落ちる形で起こることが多い一方、認知症では「夕食を食べたこと自体を忘れてしまう」など、出来事そのものが抜け落ちるように感じることがあります。
また、認知症では物忘れに加えて、段取りが難しくなる、同時に複数のことができない、場所や日時があいまいになる、慣れた道で迷う、金銭管理がうまくいかない、性格や意欲の変化が目立つ、といった変化を伴うことがあります。
軽度認知障害(MCI)は、認知機能の低下がみられるものの、日常生活はおおむね保たれている状態を指します。MCIの段階で原因を評価し、生活習慣や治療の介入を行うことが、その後の経過にとって重要です。特に、アルツハイマー型の軽度認知障害では、認知機能障害の進行を抑制することができるアミロイドβの除去薬である『レケンビ』『ケサンラ』を使用することができます。アルツハイマー型の認知障害の原因物質であるアミロイドβが脳に蓄積しているかどうかを、PET-CTや髄液検査で調べ、結果に応じて適切な治療へと繋げることができます。
物忘れの原因は他にも様々なものがあります。睡眠不足やストレス、うつ状態、不安、過度な疲労、薬の影響、脱水や栄養状態の乱れなどでも、集中力や記憶力が落ちたように感じることがあります。
脳卒中(脳梗塞や多発微小脳出血など)による脳血管性認知症、慢性硬膜下血腫、脳腫瘍、正常圧水頭症など、脳の病気が背景にあるケースもあります。こうした「治療で改善が期待できる原因」が含まれることがある点でも、早めの評価が重要です。
当院の「物忘れ外来」で行うこと
当院では、まずご本人とご家族の話を丁寧にうかがい、
● いつ頃から、どのような困りごとが出てきたか
● 日常生活(家事、買い物、金銭管理、服薬管理、仕事)の変化
● 生活リズム(睡眠、食事、運動)、気分の落ち込みの有無
● 服用中のお薬、既往歴、脳卒中のリスク因子(高血圧・糖尿病など)
といった点を整理します。
そのうえで、認知機能の評価(MMSEや長谷川式認知機能スケールなどの簡易的テスト)や神経学的診察を行い、画像検査(MRI/CTなど)を組み合わせて、脳の状態を総合的に評価します。結果を踏まえて、今後の見通しや対応方針をご説明します。
認知症はご本人だけでなく、ご家族にも負担がかかる疾患です。
物忘れの相談は、ご本人が困っている場合もあれば、ご家族が先に変化に気づく場合もあります。「どの程度から受診すべきか」「どう声をかけたらよいか」「生活上の注意点は何か」など、日常の対応に関するご相談も含めて、一緒に整えていきましょう。
受診をおすすめする目安
次のような変化が続く場合は、一度ご相談ください。
● 同じことを何度も確認する/同じ質問を繰り返す
● 予定や約束を忘れてトラブルになることが増えた
● 慣れた道で迷う、場所や日時があいまいになる
● 家事や仕事の段取りが難しくなった
● 金銭管理や服薬管理がうまくいかない
● 意欲低下、性格変化、抑うつ、不安が目立つ
● 歩行が小刻みになる、転びやすい、尿失禁が増える(物忘れ以外の症状を伴う)
物忘れは、早期に評価することで安心につながることが多い症状です。「受診するほどではないかもしれない」と感じる段階でも構いませんので、気になる変化があればお気軽にご相談ください。
脳神経外科で診る主な病気
脳神経外科では、脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血・一過性脳虚血発作)や脳腫瘍、頭部外傷、認知症、てんかんなど、命に関わる病気から慢性的な症状まで幅広く診療します。ここでは、当院でよくご相談いただく代表的な病気についてご紹介します。
脳卒中(脳血管障害)
脳卒中は、脳の血管がつまる、または血管が破れて出血することで脳の働きが急に障害される病気の総称です。代表的なものに、脳梗塞・脳出血・くも膜下出血があり、症状が一時的に出てすぐ回復する一過性脳虚血発作(TIA)も含めて考えます。いずれも、早期に専門的な治療につなげられるかどうかで、その後の回復や後遺症に影響することがあります。
脳卒中の症状は「突然」起こるのが特徴です。片側の手足や顔が動かしにくい・しびれる、ろれつが回らない/言葉が出にくい、ふらついて歩けない、視野に異変がある・物が二重に見えるなどの症状が、前ぶれなく現れます。特に、くも膜下出血では突然の激しい頭痛や意識障害を伴うことがあり、注意が必要です。
また一過性脳虚血発作は、症状が短時間でおさまり改善することがあるため見過ごされがちですが、放置すると重い脳卒中につながることがあるため、症状が消えても早めの受診が大切です。
このような症状が突然起こったら、すぐに救急要請や医療機関受診を検討してください(ACT-FAST)
● 顔の片側が下がる/口元がゆがむ(Face)
● 片腕に力が入らない/上がらない(Arm)
● ろれつが回らない/言葉が出ない(Speech)
● 発症時刻を確認して(Time)、すぐに救急要請(FAST)
当院では、症状の出方や経過を丁寧に確認し、必要に応じて画像検査(MRI/CTなど)も組み合わせながら評価します。脳卒中が疑われる場合には、速やかに適切な医療につながるよう対応します
脳梗塞
脳梗塞は、脳の血管が閉塞することで、脳の神経細胞に十分な血液・酸素が届かなくなり、急に脳の働きが低下する病気です。症状は「ある瞬間から急に」出ることが多く、時間が経つほど脳へのダメージが大きくなりやすいため、早めの対応が重要です。
代表的な症状として、片側の手足や顔のしびれ・麻痺、ろれつが回らない/言葉が出にくい、片目が見えにくい/物が二重に見える、ふらついてまっすぐ歩けない、などが挙げられます。症状が軽く見えても、脳梗塞の可能性があるため注意が必要です。
脳梗塞は発症直後であれば、血栓を溶かす薬やカテーテル治療など、症状の改善につながる治療が選択できる場合があります。こうした治療は時間が重要になるため、「突然の症状」が出たら、まずは救急要請(119)を検討してください。
また、同じような症状が数分〜短時間でおさまる場合でも、一過性脳虚血発作(TIA)など“脳卒中の前触れ”のことがあります。症状が消えても放置せず、早めに専門的な評価を受けることが大切です。
一過性脳虚血発作(TIA)
一過性脳虚血発作(TIA)は、脳の血流が一時的に低下して、脳梗塞とよく似た症状が突然出る状態です。ただし多くの場合、症状は短時間で改善し、「今はもう大丈夫」と感じてしまうことがあります。
しかしTIAは、近い将来の脳梗塞(脳卒中)の前触れとなることがあり、症状が消えていても「緊急に評価及び治療が必要な状態」とされています。実際に、症状が一時的に消失しても救急受診し、病院で評価を受ける必要があることが公的機関でも繰り返し注意喚起されています。
TIAでみられる症状は、脳梗塞と同様に次のようなものが代表的です。
● 片側の手足や顔のしびれ・麻痺● ろれつが回らない/言葉が出にくい
● 片目が見えにくい、視野が欠ける、物が二重に見える
● ふらついて歩けない、体のバランスが取れない
症状が数分で治まったとしても、放置しないことが大切です。初期にはTIAか脳梗塞かを見た目だけで判別できないこともあり、早期評価につなげることが推奨されています。
当院では、症状が出た状況(いつ・どのように始まり、どれくらい続いたか)や前後の体調変化を丁寧に確認し、必要に応じて画像検査なども組み合わせて評価します。症状が消えている場合でも、「TIAかもしれない」と思った時点で早めにご相談ください。
くも膜下出血
くも膜下出血は、脳の表面を覆う膜(くも膜)の下の空間(くも膜下腔)に出血が広がる病気で、緊急の治療が必要な脳卒中の一つです。原因としては、脳の血管にできた動脈瘤(こぶ)が破れて出血するケースが代表的ですが、脳血管の解離(椎骨動脈解離など)でも起こることがあります。
最も特徴的な症状は、「今までに経験したことのない突然の激しい頭痛」です。痛みは発症時に一気にピークに達し、その後も持続することが多く、吐き気・嘔吐を伴うこともしばしばあります。重症の場合は意識障害を生じることもあります。
また、激しい頭痛に加えて、首の痛み・首のこわばり(項部硬直)、視野障害、痙攣、意識がぼんやりする/意識を失う(意識障害)、片側の手足の脱力やしびれ、ろれつが回らないといった症状がみられることがあります。
くも膜下出血が疑われる症状がある場合は、様子を見ずに救急要請や医療機関への相談を検討してください。特に「突然の激しい頭痛」は見逃してはいけないサインです。
脳出血
脳出血は、脳の血管が破れて出血し、脳組織が圧迫・障害される病気です。脳卒中の一つで、症状が突然起こることが多く、早急な評価と対応が必要になります。
原因としては、高血圧に関連した脳内の細い血管が破れて出血する場合が多いですが、脳動静脈奇形や血管腫などの脆弱な血管の破綻で出血することもあります。抗血栓薬(血液を固まりにくくする薬)を内服されているケースでは出血量が多くなり、症状が悪化することもあります。
脳出血でみられる症状は、出血した部位や出血量によって異なりますが、代表的には次のようなものが挙げられます。
● ろれつが回らない/言葉が出にくい、理解しづらい
● ふらつき、まっすぐ歩けない
● 激しい頭痛、吐き気・嘔吐
● 意識がぼんやりする/意識を失う(意識障害)
特に、顔面を含む半身の麻痺や感覚障害に意識障害や強い頭痛、吐き気・嘔吐を伴う場合は注意が必要です。
当院では、症状の出方や経過を丁寧に確認し、必要に応じてCT/MRIなどの検査で出血の有無や程度を評価します。脳出血が疑われる場合には、速やかに適切な医療につながるよう対応します。
頭部打撲・頭部外傷(慢性硬膜下血腫・外傷性くも膜下出血など)
転倒・転落や交通事故、スポーツなどで頭を打ったあとに、「しばらく様子を見ていたら症状が出てきた」「時間がたってから悪化してきた」というケースがあります。頭部外傷は、受傷直後だけでなく、数時間〜数日、あるいは数週間〜数か月たってから問題が見つかることもあるため注意が必要です。
頭を打ったあとに起こり得る病気として、外傷性くも膜下出血、急性硬膜下血腫、脳挫傷などの頭蓋内出血が挙げられます。これらは受傷直後から症状が出ることもありますが、軽い打撲と思っていても、出血が進行して症状が強くなる場合があります。
また、特にご高齢の方では、軽い打撲のあとでも、時間がたってからじわじわと出血がたまり、『慢性硬膜下血腫』として血腫が脳を圧迫することで症状が出ることがあります。頭痛や頭重感、ふらつき、歩きにくさ、片側の手足の麻痺やしびれ、物忘れ、反応が鈍いといった症状が、1〜3ヶ月して出てくることがあります。
頭を打った後に、画像的な変化はなくても頭痛や頭重感、嘔気や嘔吐、記憶がない(健忘)、ふらつき、ぼーっとするなどの症状がある場合には『脳震盪』である可能性があります。脳震盪を起こしている場合には、安静休養が大切で、無理をしてすぐスポーツ(柔道やラグビー、アメフトなど)を再開すると重篤な神経学的後遺症が残存したり、脳震盪になりやすい体質になってしまいます。関連団体も脳震盪後の段階的競技復帰プログラム(GRTP)を定めており、年齢や競技カテゴリーによって競技復帰までの休養期間も異なります。
頭を打ったあとに、次のような症状がある場合は、早めの受診をご検討ください。
受診の目安(早めに相談したい症状)
● 頭痛が続く/だんだん強くなる● 吐き気や繰り返す嘔吐がある
● 眠気が強い、ぼんやりする、反応が鈍い、集中力がない
● 手足や顔のしびれ・麻痺、言葉が出にくい
● ふらつき、歩きにくさが出てきた
● 痙攣している
● 物忘れなど、以前と違う変化が目立つ
受傷状況(いつ・どのように頭を打ったか)と、その後の症状の経過を丁寧に確認し、必要に応じてCT/MRIなどの検査で評価します。
脳腫瘍(下垂体腫瘍・神経膠腫(グリオーマ)・髄膜腫・聴神経腫瘍 など)
脳腫瘍は、頭蓋内(脳の中やその周囲)にできる腫瘍(できもの)の総称です。腫瘍が発生する場所はさまざまで、脳そのものにできるもの(神経膠腫〔グリオーマ〕など)、脳を包む膜(硬膜)にできるもの(髄膜腫など)、脳神経にできるもの(聴神経腫瘍など)、下垂体にできるもの(下垂体腫瘍など)があります。腫瘍の種類や位置、大きさ、成長の速さによって、症状の出方は大きく異なります。
脳腫瘍による症状は、大きく分けて次の2つの仕組みで起こります。
1). 腫瘍が大きくなることで脳が圧迫される(頭蓋内圧が上がる)
2). 腫瘍ができた部位の脳や神経の働きが障害される
代表的な症状
脳腫瘍では、次のような症状がみられることがあります。
● 吐き気・嘔吐:頭痛と一緒に起こることがあります
● けいれん(発作):初めてのけいれん発作をきっかけに見つかることがあります
● 手足のしびれ・麻痺、脱力
● 言葉が出にくい/理解しづらい
● 視力・視野の異常(見えにくい、視野が欠ける、二重に見える など)
● ふらつき、歩きにくさ
● 聞こえにくさ、耳鳴り、めまい(聴神経腫瘍などでみられることがあります)
● ホルモンの異常に関連する症状(下垂体腫瘍などでみられることがあります)
これらの症状は、必ずしも脳腫瘍に特有というわけではありませんが、同じ症状が続く/徐々に悪化する/これまでと違う症状が出てきたといった場合は、原因を整理したうえで適切に評価することが大切です。
当院では、症状の経過を丁寧にうかがい、神経学的診察を行ったうえで、必要に応じてMRI/CTなどの画像検査で評価します。検査結果に応じて、経過観察、薬物療法、手術治療、放射線治療などを含め、適切な治療につながるようご案内します。
「頭痛が続く」「初めてのけいれん発作があった」「片側の手足のしびれや力が入りにくい感じがある」「見え方や聞こえ方に変化がある」など、気になる症状がある方は一度ご相談ください。
下垂体腫瘍
下垂体は、脳の底にある小さな臓器で、体のさまざまな働きを調整するホルモンを分泌する「司令塔」のような役割を担っています。下垂体に腫瘍ができると、腫瘍の大きさによる圧迫と、ホルモン分泌の異常の両面から症状が出ることがあります。
1)腫瘍が大きくなることによる症状(圧迫症状)
下垂体のすぐ近くには視神経の通り道があるため、腫瘍が大きくなると視神経が圧迫され、
● 視野が欠ける(両耳側半盲:視野の外側半分が見えにくくなり視野が狭くなる)
● 見えにくい、視力が落ちた気がする
といった症状が現れることがあります。頭痛を伴うこともあります。
2)ホルモン分泌の異常による症状
下垂体腫瘍の中には、特定のホルモンを過剰に分泌するタイプがあります。ホルモンの種類によって症状はさまざまですが、例としては次のような変化がみられることがあります。
● 月経不順、乳汁分泌、性機能の変化
● 急な体重増加及び減少、むくみ、血圧や血糖の変化
● 手足が大きくなったように感じる、顔つきの変化
● 強い倦怠感、冷えやすさ、食欲の変化 など
また、腫瘍によっては、ホルモンが十分に分泌されなくなる(低下する)ことで不調が出る場合もあります。
当院では、症状の経過を丁寧にうかがい、必要に応じてMRIなどの画像検査で下垂体周囲の状態を確認します。検査結果に応じて、内分泌機能評価(下垂体ホルモンを含めた採血検査)や専門的治療が必要となる場合には、適切な医療機関と連携しながら治療につなげていきます。
「見え方が変わった」「視野が狭くなった気がする」「月経や体調の変化が続く」など、気になる症状がある方は一度ご相談ください。
神経膠腫(グリオーマ)
神経膠腫(グリオーマ)は、脳の神経細胞を支える「神経膠細胞(グリア細胞)」から発生する悪性脳腫瘍の一つです。神経膠細胞には星細胞(アストロサイト)や乏突起膠細胞(オリゴデンドロサイト)などがあり、どの細胞から発生するかによって星細胞腫や乏突起膠腫、膠芽腫などに分類されます。腫瘍ができる部位や大きさ、進行の速さ(グレードの悪さ)によって症状の現れ方が異なります。
グリオーマでは、腫瘍そのものが脳の働きに影響することに加えて、周囲にむくみ(脳浮腫)が生じることで症状(頭蓋内圧亢進症状)が出ることがあります。代表的には次のような症状がみられます。
代表的な症状
● 頭痛:持続する、徐々に悪化する、これまでと違う頭痛● けいれん(発作):初めての発作をきっかけに見つかることがあります
● 手足のしびれ・麻痺、脱力
● ろれつが回らない/言葉が出にくい、理解しづらい
● 視野の異常、見え方の変化
● 性格や意欲の変化、集中力の低下 など
これらの症状は他の病気でも起こり得るため、症状だけで原因を断定することはできませんが、同じ症状が続く/徐々に悪化する/新しくけいれん発作が起こったといった場合は、早めの評価が大切です。
当院では、症状の経過を丁寧にうかがい、神経学的診察を行ったうえで、必要に応じてMRI/CTなどの画像検査で評価します。検査で腫瘍が疑われる場合は、腫瘍の種類や部位に応じて、手術治療、放射線治療、薬物療法などの専門的治療が必要になることがあります。患者さまの状態に合わせて、適切な医療機関と連携しながら治療につなげていきます。
髄膜腫
髄膜腫は、脳を包む髄膜(硬膜・くも膜・軟膜)から発生する腫瘍で、原発性脳腫瘍の中で最も頻度が多いものです。髄膜腫は良性のものが大半(WHO分類 grade1)で、ゆっくり大きくなることが多いです。そのため、健康診断や別の症状の検査で偶然見つかることもあります。しかし、中にはやや悪性度が高いものも含まれているため注意が必要です。
髄膜腫による症状は、腫瘍ができる場所や大きさによって異なります。腫瘍が大きくなると脳を圧迫したり、周囲にむくみ(脳浮腫)が生じて、頭痛や頭重感、痙攣発作や手足の麻痺や感覚障害、失語などの症状が現れることがあります。
一方で、腫瘍が小さい場合や、重要な神経・脳の働きに影響しにくい場所にある場合は、症状がほとんどないこともあります。
当院では、症状の経過を丁寧にうかがい、神経学的診察を行ったうえで、必要に応じてMRI/CTなどの画像検査で評価します。髄膜腫が疑われる場合は、腫瘍の大きさや位置、増大の速度、症状の有無などを踏まえて、経過観察を行うか、手術治療や放射線治療などの専門的治療が必要かを判断します。必要に応じて適切な医療機関と連携しながら治療につなげていきます。
聴神経腫瘍
聴神経腫瘍は、耳から脳へ音やバランスの情報を伝える神経(前庭神経・蝸牛神経に関連する神経)に発生する腫瘍です。一般的にはゆっくり大きくなることが多く、初期は症状が目立ちにくい場合もあります。
聴神経腫瘍では、腫瘍が神経を圧迫することで、次のような症状がみられることがあります。
代表的な症状
● 片側の聞こえにくさ(難聴):左右差として気づくことがあります● 耳鳴り
● めまい、ふらつき、バランスが取りにくい
● 音がこもって聞こえる、言葉が聞き取りにくい
腫瘍が大きくなると、周囲の神経や脳の構造に影響して、顔面のしびれ、顔面の違和感、頭痛などを伴うこともあります。
当院では、症状の経過を丁寧にうかがい、神経学的診察を行ったうえで、必要に応じてMRIなどの画像検査で評価します。聴神経腫瘍が疑われる場合には、腫瘍の大きさや増大の速度、症状の程度を踏まえて、経過観察、手術治療、放射線治療などの選択肢について検討し、適切な医療機関と連携しながら治療につなげていきます。
「片側だけ聞こえにくい」「耳鳴りが続く」「ふらつきが続いて日常生活に支障がある」など、気になる症状がある方は一度ご相談ください。
舌咽神経痛
舌咽神経痛とは、舌咽神経(第9脳神経)が刺激されることで起こる、比較的まれな神経痛です(三叉神経痛の100分の1程度、1000万人に3人程度)。のど・舌の奥・耳の奥などに、電気が走るような鋭い痛みが突然起こる疾患です。
三叉神経痛と似た性質を持ちますが、痛みの出る部位や誘因が異なります。
以下のような症状が典型的です。
● のどの奥、舌の付け根の激しい痛みで食事が取れない● 耳の奥に響くような痛み
● 数秒〜数十秒続く鋭い発作性の痛み
● 痛みが繰り返し出現する
痛みは左右どちらか一方に出ることがほとんどです。
痛みを誘発する動作(誘因)
次のような日常動作がきっかけとなって痛みが出ることがあります。
● 咳・あくび
● 歯磨き
● のどに触れる刺激
そのため、食事や会話が苦痛となり、生活の質(QOL)が大きく低下します。
原因
舌咽神経痛の原因として、以下が考えられます。
● 腫瘍や嚢胞などの占拠性病変による圧迫
● 手術や外傷後の神経障害
MRI検査で神経と血管の位置関係や神経周囲に占拠性病変が無いかなどを評価します。
当院では他の疾患同様、 症状の詳しい問診や神経学的診察、頭部MRI検査を組み合わせて丁寧に診察を致します。痛みの部位・性質・どのような誘因で症状が起こるかなどが診断の重要な手がかりとなります。
治療として神経痛に対する薬物療法(カルバマゼピンなどの抗てんかん薬や鎮痛剤)を使用します。
薬物治療で十分な効果が得られない場合には、微小血管減圧術(MVD)で神経を圧迫している血管を移動させることで、根本的な改善を目指します。
頚椎症
頚椎症は、首の骨(頚椎)や椎間板の加齢変化などにより、脊髄や神経根(脊髄から分かれて腕へ向かう神経)が圧迫されて、首や肩、腕の痛み・しびれ、手の使いにくさなどが起こる状態です。首のこりや肩こりとして始まり、徐々に症状が目立ってくることもあります。
頚椎症は、神経や脊髄が圧迫される部位により①頚椎症性神経根症と②頚椎症性脊髄症に大別されます。
神経根が圧迫される場合(頚椎症性神経根症):首〜肩〜腕、手にかけての痛み・しびれが出やすく、特定の動きや姿勢で悪化することがあります。
脊髄が圧迫される場合(頚椎症性脊髄症):手先の細かい作業がしづらい(ボタンがかけにくい、箸が使いにくい等)、歩きにくい、つまずきやすい、足がもつれる、排尿のトラブルなどがみられることがあります。
受診を検討したい症状
次のような症状が続く場合は、原因を整理するために受診をご検討ください。
● 指先の感覚が鈍い、手が動かしにくい
● 細かい作業がしづらい、手先が不器用になった
● ふらつく、歩きにくい、つまずきやすい
● 尿が出にくい/近いなど、排尿の変化がある
当院では、症状の経過や姿勢との関係を丁寧にうかがい、神経学的診察を行います。必要に応じてMRIなどの検査で頚椎や脊髄・神経の状態を評価し、薬物療法、リハビリテーション、生活上の注意点などを含めて治療方針をご提案します。脊髄の圧迫が強い場合など、専門的治療が必要と判断される際には、適切な医療機関と連携しながら治療につなげていきます。
「首から腕にかけてしびれが続く」「手が使いにくい」「歩きにくさが出てきた」など、気になる症状がある方は一度ご相談ください。
パーキンソン病
パーキンソン病は、脳の働きの変化により、体の動きがゆっくりになる、ふるえが出る、筋肉がこわばる、バランスが取りにくくなるといった症状が徐々に進行する病気です。初期には「疲れやすい」「動き出しにくい」「歩幅が小さくなった」など、はっきりしない変化から始まることもあります。
代表的な症状
パーキンソン病では、次のような症状がみられることがあります。
● ふるえ(振戦):安静時に手がふるえることがあります
● 筋固縮(筋肉のこわばり):肩や首がこる、腕が振りにくい など
● 姿勢反射障害:バランスを崩しやすい、転びやすい、すり足・小刻み歩行になる など
また、運動症状だけでなく、便秘、睡眠の質の低下、気分の落ち込み、嗅覚の低下、立ちくらみなど、体調の変化を伴うこともあります。
似た症状を起こす病気もあります
「ふるえ」「歩きにくさ」「動作が遅い」といった症状は、他の病気や薬の影響でも起こり得ます。そのため、症状だけで自己判断せず、原因を整理したうえで評価することが大切です。
当院では、症状の経過を丁寧にうかがい、神経学的診察を行って、症状の特徴を確認します。必要に応じてMRIなどの検査で他の病気の可能性を評価し、診断結果に応じた治療方針をご提案します。治療は薬物療法を中心に、運動やリハビリテーション、生活上の工夫を組み合わせて進めることが一般的です。
「手のふるえが気になる」「歩幅が小さくなった」「転びやすくなった」「動作が遅くなった気がする」など、気になる変化がある方は一度ご相談ください。
脳神経外科で行える検査
当院では必要に応じて下記検査を実施しています。
MRI・MRA検査
MRIは、強い磁場と電波を用いて体の内部を撮影する検査で、脳の構造(脳実質)を詳しく評価することができます。出血や脳梗塞の変化、腫瘍、炎症、神経変性などの有無を確認する際に有用で、頭痛、めまい、しびれ、けいれん(発作)、物忘れなど、さまざまな症状の原因を調べるために行います。
MRAは、MRIの撮影を応用して血管(主に動脈)を描出する検査です。脳動脈瘤の有無、血管の狭窄や閉塞、血管の解離や血管の形の異常などを評価する目的で実施します。脳卒中が疑われる場合や、くも膜下出血の原因となり得る病変がないかを確認する場合に役立ちます。静脈洞血栓症など脳の静脈を評価する際に有用なMRVも撮影することが可能です。
検査中は、大きな音(カンカン・ピーピーなどの騒音)がしますが、当院のMRI装置は可能な限り騒音を出さないように設定されたMRI装置ですが、患者様には耳栓などを使用していただき、ストレスを可能な限り低減した状態で検査を受けていただけます。撮影時間は検査内容(撮影条件や撮影範囲)によって異なりますが概ね20分前後となります。体内に金属が入っている方(ペースメーカーや迷走神経刺激装置(VNS)・脳深部刺激装置(DBS)など)や、閉所が苦手な方は事前にご相談ください。必要に応じて別の検査方法をご提案します。
当院では、症状や診察所見を踏まえて、MRIが必要かどうかを判断し、検査結果は専門医がわかりやすくご説明したうえで、今後の方針をご提案します。
CT
CTは、X線を用いて頭の中を短時間で撮影できる検査です。撮影時間が比較的短く、救急の場面や、迅速な評価が必要なときに有用です。
単純CTは造影剤を使用せずに撮影し、特に出血(脳出血・くも膜下出血など)や頭部外傷に伴う血腫、頭蓋骨骨折の評価に役立ちます。頭を打ったあとに頭痛や吐き気が続く、意識がはっきりしない、麻痺やしびれが出てきた、といった場合には、単純CTで出血の有無を確認することが重要になります。
造影CTは、造影剤を用いて撮影することで、脳血管や腫瘍などの評価をより詳しく行う検査です。病気の種類や目的によって適応が異なるため、症状や診察所見、他の検査結果を踏まえて必要性を判断します。
CTは検査そのものは短時間ですが、造影CTを行う場合は体調や腎機能、アレルギー歴などの確認が必要になります。過去に造影剤で気分不良や発疹が出たことがある方、腎機能に不安がある方は、事前にお申し出ください。
当院では、症状や診察所見を踏まえてCTが必要かどうかを判断し、検査結果は専門医がご説明したうえで、今後の方針をご提案します。
このようなときは脳神経外科を受診してください(受診の目安)
クリニック受診をおすすめするケース
● 頭痛
● めまい
● 手足や顔のしびれ
● 顔の痛みやピクつき
● 物忘れ
● けいれん(発作)
● 頭を打ったあとの不調など、
病院やクリニック受診を検討される原因はさまざまだと思います。
特に、「繰り返す/続く」「生活に支障がある」「以前より増えた・悪化した」「受診先がわからず脳の病気が心配」といった場合は、まずは当院脳神経外科へご相談ください。
一方で、突然の片側の麻痺やしびれ、ろれつが回らない・言葉が出ない、歩けないほどの強いふらつき、急な視力・視野の異常、今までにない激しい頭痛、強く頭を打ったあとに強い頭痛や嘔吐・意識の変化があるときは、様子を見ず救急受診(必要に応じて救急車119)をご検討ください。
また、麻痺やしびれ、言葉のもつれなどが一度おさまっても注意が必要なことがあるため、短時間で改善した場合でも救急受診を考えてください。
お子さまも同様に「いつもと違う」「急に」「繰り返す」症状は早めの評価が安心です。激しい頭痛や繰り返す嘔吐、意識がはっきりしない、けいれんが続く/短時間に何度も起こる、頭部打撲後の変化、発熱と強い頭痛は救急受診をご検討ください。お子様の変化はご家族様が一番気がつきやすいことが多いため、『いつもと様子が違うな』と感じるようでしたら、ご遠慮なくご相談ください。
また緊急性が高くなくても学校生活に支障が出る慢性的な頭痛やめまい、朝起きられずに学校に行けないが午後になると比較的元気になる起立性調節障害などは、お子様の生活の質を悪化させるだけでなく、進学や学習面へも多大な影響を与えます。少しでも頭痛や体調不良から解放され日常生活がより良くなるよう、とことん診療させていただきます。
市販薬で様子を見てよいのは「一時的」だけです
頭痛などの症状に対して、市販薬(鎮痛薬)で一時的に症状が和らぐことはあります。しかし、市販薬はあくまで「つらい症状を一時的に和らげる」ための手段であり、原因そのものを治す治療ではありません。症状が続く場合や繰り返す場合は、背景に別の原因が隠れていることもあるため、自己判断で長く続けるのではなく、早めにご相談いただくことが大切です。
市販薬で様子を見てもよい可能性があるケース
次のような場合は、体調を整えながら短期間だけ様子を見ることもあります。
●寝不足や疲労など、原因に心当たりがあり、症状が強くない
●発熱やかぜ症状など、全身の体調不良に伴う頭痛が疑われる
ただし、こうした場合でも「いつもと違う」「悪化している」「回数が増えている」などがあれば、早めの受診をおすすめします。
市販薬で様子を見ないほうがよいサイン
次のような症状がある場合は、市販薬で我慢せず、早めに受診をご検討ください(状況によっては救急受診が必要です)。
●頭痛に加えて、しびれ・麻痺、ろれつが回らない、意識がぼんやりするなどの神経症状がある
●嘔吐を繰り返す、首の痛みやこわばりが強い
●頭を打ったあとに頭痛が続く/悪化する
●けいれん(発作)や意識消失を伴う
●頭痛が数日以上続く、または繰り返す
●市販薬を内服しすぎることで起こる『薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)』
鎮痛薬を頻繁に使用することで「薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)」につながることがあります(薬の種類にもよりますが、目安は3ヶ月以上にわたって鎮痛剤を月に10−15日以上漫然と使用している状態)。市販薬が手放せない状態になっている場合は、原因を整理し、適切な治療につなげることが重要です。
「市販薬でしのいでいるが不安」「薬が効きにくくなってきた」「不安なので痛みはないけれど市販鎮痛剤をずっと内服している」など、気になることがあれば一度ご相談ください。今使用している市販鎮痛剤をやめることが症状の改善につながる一手となるかもしれません。
最後に
アンカークリニック江戸川は江戸川区の、東京都区東部の最後の砦として、そして地域のかかりつけ医としてお役に立つことができればと考えています。
必要な人に必要な医療が届くようスタッフ一同取り組んでまいります。ちょっとした身体のお悩みや違和感でもどうか一人でお悩みにならずお気軽にご相談ください。
