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最終更新日 2023.7.19

もしかして腱鞘炎?手首の痛みと3つの原因について【船堀/整形外科】

腱鞘炎

腱鞘炎について船堀の整形外科医が解説します

親指を動かすと手首が痛い、手首が痛くてものを持てない、などの症状がある時は「腱鞘炎」かもしれません。
医学の世界では「ドケルバン病」などと呼ばれます。

アンカークリニック船堀 整形外科の藤井 達也です。この記事ではいわゆる手首の腱鞘炎に関して、症状や痛みの原因、治療のほか予防やセルフケアを解説します。



腱鞘炎とは?

手首の痛みを出す疾患はたくさんあります。船堀でも手首の痛みを訴えて受診される方は結構いらっしゃいます。
その中でも母指CM関節症、ばね指に加え腱鞘炎は最も頻度の高い病気の一つです。

腱鞘炎は親指を動かす腱のまわりで炎症を起こします。出産後の女性や、指をよく使う仕事をしている40-60歳くらいの女性に多く、指を動かすと手首の親指側の痛みが出ます。
まずはこの症状からみていきましょう。


腱鞘炎の症状とは?

腱鞘炎の症状は「手首の痛み」ですが、具体的には手首の「親指側」、医学的には橈側(とうそく)の痛みです。
ひとは親指を外に広げたり、ぴんとはったりする時に指を動かす「腱」をつかっています。
手首のところでは、その腱が骨と擦れて切れないよう、筒におさまっています。この筒を「腱鞘」と呼び、腱鞘炎ではこの腱鞘で痛みが出ます。

親指を使うと手首が痛いというのが最初の症状ですが、ひどくなると親指を使わなくても痛み(安静時痛 あんせいじつう)を感じたり、手首の腫れ、熱い感じを引き起こしたりします。
実際船堀で診察をしていると、手首が腫れあがった状態で受診される患者さんもいます。



腱鞘炎の原因

腱鞘炎は、その名の通り手首の腱鞘で炎症が起きた状態です。
炎症の最大の原因は「overuse オーバーユース」、つまり使いすぎです。

腱鞘の中はツルツルしていて、腱をひっぱった時でも摩擦が起きにくい構造をしています。とはいえ、腱を引っ張る頻度が増えれば、摩擦を起こし炎症を起こします。

炎症だけでも痛みにつながりますが、炎症が起こると筒である腱鞘の中に滲出液が出て来てます。
滲出液とは、例えば膝を擦りむいた時に出る透明な液体のようなものと同じようなイメージです。 筒の容積はほぼ一定ですが、そこに腱だけがあるのと、腱と滲出液があるのとでは滲出液がある方の筒がパンパンになります。

そうなると、手首の腫れを起こします。その状態で腱をひっぱろうとすると筒に圧がかかり、こちらも痛みを引き起こします。
また炎症は熱を持つので、手首が熱い感じを自覚するというわけです。

最大の原因は使いすぎですが、使いすぎにもいくつか種類があります。大きく分けるとこの3つです。

腱鞘炎の原因


・スマホの使い過ぎ

・力仕事の負担

・抱っこをたくさんする

それぞれどんな使いすぎなのかみていきましょう。



腱鞘炎の原因1:スマートフォンの使い過ぎ

特に片手操作で画面をタップする(ガラケーならボタンを押す)動作を繰り返すことで起こります。
この原因はガラケーが主流だった頃から多くなってきたとされています。

最近ではスマホのフリック操作が増えたため、腱鞘炎の他に親指の第2関節(医学的にはMP関節)の手のひら側の痛みも増えています。

船堀の外来で超音波検査をしてみると、親指でのフリック操作(医学的には屈曲、対立)で使用する筋肉の付け根で炎症が起きています。
腱鞘炎ではないですが、スマホを原因とした手の痛みとして共通しています。



腱鞘炎の原因2:力仕事の負担

具体的にはピッキング作業など、親指を使って何かを掴んだり離したりする動作や事務作業において、親指で紙を数えたりする動作で腱鞘炎を引き起こしやすいです。
ただ、仕事の動作は本人にとっては当たり前の動作のことが多く、親指を使っているかは動作を細かく意識してみないとわからないことが多いです。

外来でも「特に思い当たることがない」との患者さんに、仕事の動作をひとつひとつ教えてもらうことで親指を使う動作が出てきたこともありました。
いま一度、ご自身の仕事の動作を見直してみてください。



腱鞘炎の原因3:抱っこをたくさんする

子供が産まれて数ヶ月以内に起こることが多いです。赤ちゃんは軽いとはいえ産まれた段階で2,3kgあります。
それを手首だけでもったり、あやすのにゆらしたり、寝てしまって頭を支えるのに親指を使っていたりします。

これも、お母さん自身は当たり前の動作のため親指を使っていることに気がつかないことも多いです。

産後それほど経っていないお母さんが手首の痛みで整形外科外来にきたら、腱鞘炎を疑うというのは私たち整形外科の世界では常識と言われるほどよくあることです。



腱鞘炎のセルフチェック

ここで自分が腱鞘炎かどうかセルフチェックしてみましょう。
医学的にはfinkelstein test(フィンケルシュタインテスト)とよばれるチェックになります。次の手順で行います。

腱鞘炎のセルフチェック


①痛みのある手首の親指を他の指で握り込みます

②その状態で反対の手で痛い方の手首を小指側に曲げます(尺屈)

腱鞘炎の程度がひどいと①だけで痛かったり、親指を握り込む前に痛みを感じることもあります。
①または②で手首の親指側に痛みが出れば、腱鞘炎の可能性が高いでしょう。


症状がひどくなる前に、クリニックにて受診することをおすすめします。





腱鞘炎の予防

腱鞘炎にならないために、日常で行なう動作や仕事で行う動作を見直しましょう。
具体的にはものを「持つ」「つかむ」「つまむ」動作です。
親指をメインに使って作業をしている動作があれば、親指を使わずに行えないか、他の指や手首で代用できないか検討してみてください。

例えばピッキング作業で親指と人差し指でつまんでいたところを小指や薬指でつかみとってみる、赤ちゃんを抱っこする時に右手メインで抱っこしていた向きを反対にし、左手も使ってみる、抱っこ紐を使ってみる、といった具合です。



腱鞘炎のセルフケア

もし腱鞘炎と診断されたら、まずは冷却しましょう。
医学的にはRICE処置などと言われます。Rest 休む、Ice 冷やす、Compression 圧迫する、Elevation 挙上する の略で、内腱鞘炎で有効なのはRest(休む)とIce(冷やす)です。

原因は使いすぎ、起きていることは炎症なので

●使用頻度を減らし休むこと(Rest)
●冷やすこと(Ice)

が有効です。

「休む」に関しては予防と重なるところではありますが、原因となる使いすぎの動作を見つけて、見直し腱鞘炎を引き起こす動作を避けることが休むことにつながります。
また冷やすのは、氷でキンキンに冷やすというよりは、たくさん使ってしまったなと感じた時に水道水で1分間冷やす、1日の終わり、お風呂やシャワーの際に最後上がる前に1分間水道水で冷やす程度で十分です。
もし氷嚢があれば、少しひんやりする程度に冷やすとよいでしょう。



腱鞘炎の治療法

腱鞘炎の治療は大きく3つです。

腱鞘炎の治療


1.抗炎症作用のある薬の内服や外用

2.抗炎症作用のある薬の注射

3.手術

腱鞘炎の治療1:抗炎症作用のある薬の内服や外用

1の薬の内服では、起きていることが炎症であることからNSAIDs(エヌセイズ)、具体的にはロキソニン®︎のような抗炎症作用のある消炎鎮痛剤を使用します。
また体表に近いことから湿布などの外用薬も有効です。

腱鞘炎の治療2:抗炎症作用のある薬の注射

2の注射も抗炎症作用のある注射薬を腱鞘内に注射します。
注射の際には、超音波を用いて腱鞘を画像として確認しながらの注射になります。ただこの薬は腱そのものを変化させ、断裂を引き起こす可能性もあり、量や回数には制限があります。

腱鞘炎の治療3:手術

3の手術に関して、腱鞘炎の問題点は筒の大きさが制限されていることでした。
手術は筒の一部を切開し腱鞘そのものを開放するというものです。そうなれば、たとえ炎症が起きたとしても腱鞘の圧が高まったりすることはなくなります。
ただ、腱鞘は腱がまわりの筋肉や靭帯と癒着しないように、保護する役割も担っていたので、手術後に腱がまわりの筋肉や靭帯と癒着し指が動かしづらくなる危険性があります。



アンカークリニック船堀での治療方針

アンカークリニック船堀では、診断に力を入れています。

毎日の生活や仕事での動作を伺うことはもちろんのこと、必要に応じて超音波検査を併用し、炎症の範囲や程度も確認しています。
超音波検査を行うことで治療選択の参考にしたり、治療の効果判定をします。

また腱鞘内注射の際には超音波を併用することでより正確に腱鞘内に注射することができます。





船堀で痛みを感じたら、アンカークリニック船堀へ!

この記事では腱鞘炎に関して、症状、原因、セルフチェック、予防、セルフケア、治療を解説してきました。
もし、ご自身の症状やセルフチェックで腱鞘炎にあてはまるようであれば、まずはセルフケアをしてみてください。

薬や注射はもちろん治療のひとつではあるのですが、日々の生活や仕事の中にある「使いすぎ」を見つけ、見直すことの方が大切です。
もしセルフケアをしたのによくならない、痛くて生活に支障がある場合などはお気軽にアンカークリニック船堀 整形外科にご相談ください。





参考文献

参考文献1 参考文献2 参考文献3

記事監修者

アンカークリニック船堀 整形外科医

藤井 達也

習志野第一病院、千葉医療センター、成田赤十字病院などの勤務を経て、アンカークリニックを開院。痛みの原因に寄り添い、船堀の数少ない整形外科として活躍している。

習志野第一病院、千葉医療センター、成田赤十字病院などの勤務を経て、アンカークリニックを開院。痛みの原因に寄り添い、船堀の数少ない整形外科として活躍している。


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