はじめに
このnote記事は「フローチャート整形外科診断」を書き散らかしたふじたつが、外来で経験した典型的な症例を用いて、恐れ多くも家庭医、総合診療医、救急医のためにトレーニング形式でそのノウハウをシェアする場です。読者の方々と一緒に研鑽を積めたら嬉しいです。
アンカークリニック船堀では短期〜長期の整形外科外来研修を受け入れしています。興味ある医師の方はご一報ください!
◆ご覧いただきたい方
・整形外科診療に携わるプライマリケア医
・救急外来でWalk in症例を診る初期研修医
・卒後3年目の駆け出し整形外科医
※3次救急というよりは地域の1次2次救急外来やER、クリニックなどを想定しています
※上記以外の専門医の方も「Advanced」の項目は是非見てみてください
◆解決する課題感
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「肩痛や腰痛の患者さんを診る時にどのように対応してよいかわからない」
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「膝痛を訴える患者さんで見逃しちゃいけない疾患はなんだろう」
などなど
このような課題を解決するために、冒頭紹介した書籍「フローチャート整形外科診断」に加え、本記事で追加の症例解説をしていきます!
なので、熟練の整形外科医にとっては当たり前の内容かと思いますが、
ただただ、わかりやすさを追求し、たとえ初めて整形外科疾患を診る医師でも「できる」内容として記載するように努めています!
ぜひこれから一緒に学べたら嬉しいです!
より短時間で確認したい方はこちら!
以下会話形式での解説です!
◆登場人物
[症例20] 30歳女性 左膝痛
2週間前から左膝痛。比較的急に痛くなってきた。休むと少しよくなるので、そのままにしていたが、痛みをぶり返している。日常生活レベルの歩行でも痛くなってきたので日中来院した。
O:外傷ではないですね。
O:次は発赤腫脹などの関節炎症状があるかどうかだけどどう?
R:見た感じは大丈夫でした。ちょっと気になったのが、膝窩部が痛いという訴えです。
O:なるほど。関節炎的な要素はなさそうだけど、関節液貯留はありそうという感じかな。
R:次は突然ひっかかったように動かせないという分岐ですが、そういった症状はなかったです。
O:これは半月板損傷によるロッキングを想定した分岐だね。半月板損傷の既往がなければ、この年齢での可能性は下がるかな。
R:次は疼痛部位ですね。この患者さんは膝の内側を痛がっています。
O:なるほどじゃあ、フローチャートのこの部分にたどり着くね。
R:どの疾患も頻度高いですね。
O:病歴は身体所見でのチェック項目はこんな感じだけど、病歴はどう?
R:はい。歩くのけっこうつらそうです。よくよくきいたら3週間前からダイエットのためにランニング始めたみたいです。
O:なるほど〜。関節液あった?
R:僕が診察した時にははっきりしなかったです。
O:膝曲げにくいとかは?
R:言ってました。
O:OK。圧痛部位は?
R:ここです。圧痛部位からすると大腿四頭筋炎が一番あやしいですかね。
O:関節裂隙の圧痛はない感じよね?
R:そうですね。関節裂隙というよりは膝蓋骨上極やや内側くらいのところでした。
O:ok。OAありそう?
R:体重もそんなになさそうで、レントゲン撮る必要もなさそうかなと思いました。
O:いいね。賛成。そしたらエコーだね。
O:大腿四頭筋に炎症を疑うドプラーエコーが入ります。
R:関節液と内側側副靭帯の炎症は?
O:少量関節液はありますね。内側側副靭帯に炎症はなさそうでした。骨棘もなさそうです。
R:それなら大腿四頭筋炎で決まりだね。
O:治療はNSAIDsですか?
R:そうだね。正確にはジャンパー膝に分類されて、病態的には炎症ではないとされているんだけど、エコーで炎症とらえられてるからNSAIDsはあり。
O:そうなんですね。どうりでネット検索しても四頭筋炎出てこないわけですね。
R:それに加えてRICE処置と大腿四頭筋のストレッチだね。
O:膝を折って座るやつですね。
▶︎Advanced もし自分が外来で診るなら
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問い合わせ先
アンカークリニック船堀
〒134-0091 東京都江戸川区船堀4-3-6 メゾンドサントル船堀101
当院の方針
アンカークリニック船堀では、皆様のお話から胸痛の原因がなんであるか、問診で絞り込みます。また必要時には血液検査、心電図検査、レントゲン、心臓超音波検査を行います。
これらによって胸が痛い原因を突き止め、適切な治療を進めてまいります。場合によっては専門施設へ紹介いたします。
胸が痛い症状がある方は気軽にご相談ください。