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最終更新日 2024.8.1

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<家庭医、総合診療医、救急医のための整形外科的トレーニング>症例28 51F 右肩痛



はじめに

このnote記事は「フローチャート整形外科診断」を書き散らかしたふじたつが、外来で経験した典型的な症例を用いて、恐れ多くも家庭医、総合診療医、救急医のためにトレーニング形式でそのノウハウをシェアする場です。読者の方々と一緒に研鑽を積めたら嬉しいです。

アンカークリニック船堀では短期〜長期の整形外科外来研修を受け入れしています。興味ある医師の方はご一報ください!

◆ご覧いただきたい方

・整形外科診療に携わるプライマリケア医
・救急外来でWalk in症例を診る初期研修医
・卒後3年目の駆け出し整形外科医

※3次救急というよりは地域の1次2次救急外来やER、クリニックなどを想定しています
※上記以外の専門医の方も「Advanced」の項目は是非見てみてください

◆解決する課題感

・「肩痛や腰痛の患者さんを診る時にどのように対応してよいかわからない」
・「膝痛を訴える患者さんで見逃しちゃいけない疾患はなんだろう」

などなど

このような課題を解決するために、冒頭紹介した書籍フローチャート整形外科診断に加え、本記事で追加の症例解説をしていきます!

なので、熟練の整形外科医にとっては当たり前の内容かと思いますが、
ただただ、わかりやすさを追求し、たとえ初めて整形外科疾患を診る医師でも「できる」内容として記載するように努めています!
ぜひこれから一緒に学べたら嬉しいです!


より短時間で確認したい方はこちら!

以下会話形式での解説です!

◆登場人物

R:アンカークリニックで研修する家庭医レジデント、医師5年目
O:アンカークリニックで指導する町の整形外科医

[症例28] 51F 右上腕痛

前日路上で転倒し右肩をぶつけた。受診当日になっても痛みがひかないため整形外科外来を受診した。



R:今回は転倒ですね。
O:だね。外傷だからフローは一択だけど、痛いところが重要なんだ。
R:はい。


R:つまりこの図ですよね。
O:そうだね。

R:これでいうと、上腕骨頚部骨折、腱板断裂、肩関節脱臼のところです。
O:ok。そしたらこの3つに絞ってすすめていこう。

O:病歴と身体所見はどう?
R:転倒しての外傷です。痛みが強くて腱板断裂のテストはできませんでした。
O:肩章サインはなかった?
R:はい…たぶん。ちょと自信ないです。
O:みためでわからなければ、画像検査いってみようか。
R:はい!まずはXpですね。

R:上腕骨頚部骨折、、、でよいんですかね?
O:そうだね。大結節だけの骨折のこともあるよ。今回は頚部にも骨折線がありそうだけど。
R:了解です。三角巾固定して外来に案内ですかね。これって手術になるんですか?
O:保存もありかな。手術治療にする時は大結節に加えて頚部の骨折線にも対応しないといけないかな。
R:保存もありなんですね。その場合は何か特別なことありますか?
O:早期リハかな。振り子運動っていってセルフリハビリを指導するよ。

O:この時大事なのは、腱板を使わずに肩のROM訓練をすることなんだ。腱板を使ってしまうと、つまり自動運動してしまうと大結節に負担がかかって大結節骨片の転位につながるんだ。
R:なるほど。とにかく脱力させて振り回す、というような感じでしょうか。
O:そうだね。



▶︎Advanced もし自分が外来で診るなら〜上腕骨頚部骨折〜

治療は保存治療、手術治療(ORIF骨接合術、人工骨頭、リバース人工肩)がある。年齢や骨質などで治療選択される。Indicationがわからない場合はAO財団の提供する資料を参照するとよい。
<AO SURGERY REFERENCE>

判断に迷う場合はアクセスによるが、手術治療を行う整形外科に紹介したりアドバイスを求めるとよい。ただし、手術そのものも侵襲は大きく術後前方挙上は100度程度出せれば成績は良い方であり受傷前の動きに戻るわけではないことにも留意したい。保存治療のポイントは早期リハビリ(振り子運動)である。仕事復帰は職種によるが力仕事の場合は2.5ヶ月以上を要するとされている。
私見だが、脱臼骨折でない高齢者、大結節や外科頸骨折で転位のほとんどないものについては保存治療を選択し骨片転位に注意しながらフォローアップしている。

<初期治療>
・疼痛コントロール(NSAIDs、アセトアミノフェン、PPI)
・脱臼を伴っていれば整復
・三角巾固定

<追加治療>
・保存治療:早期リハビリ(振り子運動)→圧痛なくなれば自動ROM訓練を開始
・手術治療

PMID: 25186842
PMID: 30885548
PMID: 16394751
PMID: 33689149



アンカークリニック船堀では短期〜長期の整形外科外来研修を受け入れしています。興味ある医師の方はご一報ください!


問い合わせ先

アンカークリニック船堀
〒134-0091 東京都江戸川区船堀4-3-6 メゾンドサントル船堀101
 

 

当院の方針

アンカークリニック船堀では、皆様のお話から胸痛の原因がなんであるか、問診で絞り込みます。また必要時には血液検査、心電図検査、レントゲン、心臓超音波検査を行います。
これらによって胸が痛い原因を突き止め、適切な治療を進めてまいります。場合によっては専門施設へ紹介いたします。
胸が痛い症状がある方は気軽にご相談ください。

記事監修者

アンカークリニック船堀 整形外科医

藤井 達也

習志野第一病院、千葉医療センター、成田赤十字病院などの勤務を経て、アンカークリニックを開院。痛みの原因に寄り添い、江戸川区・船堀の数少ない整形外科として活躍している。

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