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最終更新日 2024.5.7

<家庭医、総合診療医、救急医のための整形外科的トレーニング>症例24 52F 右中指痛



はじめに

このnote記事は「フローチャート整形外科診断」を書き散らかしたふじたつが、外来で経験した典型的な症例を用いて、恐れ多くも家庭医、総合診療医、救急医のためにトレーニング形式でそのノウハウをシェアする場です。読者の方々と一緒に研鑽を積めたら嬉しいです。

アンカークリニック船堀では短期〜長期の整形外科外来研修を受け入れしています。興味ある医師の方はご一報ください!

◆ご覧いただきたい方

・整形外科診療に携わるプライマリケア医
・救急外来でWalk in症例を診る初期研修医
・卒後3年目の駆け出し整形外科医

※3次救急というよりは地域の1次2次救急外来やER、クリニックなどを想定しています
※上記以外の専門医の方も「Advanced」の項目は是非見てみてください

◆解決する課題感

・「肩痛や腰痛の患者さんを診る時にどのように対応してよいかわからない」
・「膝痛を訴える患者さんで見逃しちゃいけない疾患はなんだろう」

などなど

このような課題を解決するために、冒頭紹介した書籍フローチャート整形外科診断に加え、本記事で追加の症例解説をしていきます!

なので、熟練の整形外科医にとっては当たり前の内容かと思いますが、
ただただ、わかりやすさを追求し、たとえ初めて整形外科疾患を診る医師でも「できる」内容として記載するように努めています!
ぜひこれから一緒に学べたら嬉しいです!


より短時間で確認したい方はこちら!

以下会話形式での解説です!

◆登場人物

R:アンカークリニックで研修する家庭医レジデント、医師5年目
O:アンカークリニックで指導する町の整形外科医

[症例24] 52歳女性 右中指痛

1ヶ月前から右中指に違和感を自覚していた。2週間前から朝の曲げづらさを感じ、3日前から曲げる時に痛みがでてきた。日中整形外科外来を受診した。


R:なんでしょう。手のこわばりですかね?
O:RA疑ってるってこと?ありえなくはないね。フローにそってやっていこう。
R:ですね。手では外傷かどうか、傷があるかどうか、疼痛部位はどこか、でしたよね。
O:さすがです。


R:それでいうと、外傷はなさそうで、傷も当然ない。指が痛いってことですね。
O:そうだね。フローでは間にRedflagsを除外するためのセクションがあるっていうイメージかな。
R:なるほど。特に屈筋腱に沿った痛みはありませんでした。ただPIPが少し腫れていて伸展制限があるような印象でした。
O:ok。手関節の症状やしびれはない?
R:なかったです。となると、フローでは手指が痛いにたどりつきますね。


O:okこれらが鑑別だね。最後に疼痛部位で絞り込みかな。どう?
R:ここです。


O:ということはばね指かな。さっきPIPも変だって言ってなかった?
R:はい。なんとなく腫脹しているイメージでした。
O:OAやRAも鑑別に進めようか。


O:病歴はどう?
R:腫瘤っぽさや指先の腫脹はありません。朝は使いづらいって言っていて、曲げると伸びないとか曲げる時痛くて曲げられないとかみたいです。爪は大丈夫そうです。
O:なるほど。そしたらRAとばね指、一応腫瘍も残るか

O:身体所見はどう?
R:squeezeや概ね関節の腫脹や圧痛ななさそうだったんですが、右中指のPIPだけ少しはれてるような、なんていうんですかね。少しかたい印象でした。圧痛は手掌部にありました。Snappingは指が痛くて曲げられなくて確認できませんでした。
O:なるほど。そしたらばね指が怪しいかな。念の為Xp確認しとこっか
R:わかりました。

R:特に何もないですね。関節裂隙も保たれてます。
O:だね。そしたら超音波でA1プーリーを確認だね。

R:肥厚してますね。
O:だね。これで決まりだね。
R:治療はNSAIDsですか?
O:ゴルァ!
R:・・・
O:ストレッチに決まっておろうが。これで症状軽快することが多いよ。
R:やり方教えてください




▶︎Advanced もし自分が外来で診るなら〜ばね指〜

保存治療が基本で、(内服薬)、ストレッチ、局所注射が報告されてえる。改善が見込めない場合は手術(腱鞘切開術)という選択肢もある。

<初期治療>
・ストレッチ(A1pulleyを伸ばす)
・NSAIDs, アセトアミノフェン, PPI
・腱鞘内注射(ステロイド)

<オプション>
・手術(腱鞘切開術)


PMID: 31865255
PMID: 29125382
PMID: 26340807
PMID: 24286741


アンカークリニック船堀では短期〜長期の整形外科外来研修を受け入れしています。興味ある医師の方はご一報ください!

問い合わせ先

アンカークリニック船堀
〒134-0091 東京都江戸川区船堀4-3-6 メゾンドサントル船堀101
 

 

当院の方針

アンカークリニック船堀では、皆様のお話から胸痛の原因がなんであるか、問診で絞り込みます。また必要時には血液検査、心電図検査、レントゲン、心臓超音波検査を行います。
これらによって胸が痛い原因を突き止め、適切な治療を進めてまいります。場合によっては専門施設へ紹介いたします。
胸が痛い症状がある方は気軽にご相談ください。

記事監修者

アンカークリニック船堀 整形外科医

藤井 達也

習志野第一病院、千葉医療センター、成田赤十字病院などの勤務を経て、アンカークリニックを開院。痛みの原因に寄り添い、江戸川区・船堀の数少ない整形外科として活躍している。

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