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首が凝った時にすべき行動と整形外科受診のタイミング

首こりついてわかること

首こりの最も多い原因のひとつに「筋筋膜性疼痛症候群 MPS」があります。


このページでは、デスクワークや工場でのライン作業、前屈みで行う仕事をする全ての人に向けて、

・首こりの原因
・セルフケアについて
・整形外科を受診するタイミング

についてアンカークリニック船堀 整形外科の藤井 達也が解説します。






首こりの基本情報

首こりとは、首の後ろの筋肉がこりかたまった症状のことを指します。
ひどいと首の後ろから頭まで痛みが出たり、首を左右にまわすのが難しくなってくる症状です。

2人に1人は一生のうちに一度は首の痛みを経験するとされ、その中でもこの「首こり」の頻度は上位を占めます。
人間は意識しないと身体の前側の筋肉しかつかわず、極端に言えば、肩から手がどんどん内側に入ってきて、背筋は猫背になり、肩に力が入った状態になってしまいがちです。

つまり首の周りの筋肉に無意識に力を入れてしまっているため発症の可能性が高くなります。






首こりの症状とは?

アンカークリニック船堀にいらっしゃる患者様の中で多いのが

●首の痛みだけでなく頭痛(後ろ側)もある
●首の痛みに加え、左右に回しづらくなっている

この2つです。
まず頭痛(後ろ側)もある場合、「筋緊張型頭痛」を考えます。
頭の骨の後ろ側から肩、肩甲骨、背骨にかけてついている僧帽筋の疲労がその大きな原因です。
頭の重さは約5kgあるので、デスクワークで姿勢が悪くなったりすると5kgのボールを僧帽筋が後ろからひっぱって支えている状態になります。

次に、左右に回しづらくなる症状の場合「筋筋膜性疼痛症候群」を考えます。
これは僧帽筋と周囲の筋肉の膜どうしが癒着し左右に首をまわす時にくっついた筋肉にひっぱられ回す範囲に制限がかかるという状況です。

症状として肩こりと感じることもあります。






首こりの原因

首こりの原因は人によってさまざまですが、大きく

●作業姿勢が悪い
●ストレッチ不足

の二つがあります。 作業姿勢とは、5kgある頭をどのように支えて作業をしているかということです。 頭が前に出て、猫背になり、肩や手が内側に入り、肩に力を入れて作業していると首こりが引き起こされます。

ストレッチ不足とは、どんなに良い作業姿勢で仕事をしていたとしても長時間同じ姿勢は身体にとってよくありません。 ストレッチが必要なのはわかると思いますが、特に忙しい方などなかなかできないことが多いですよね。 こういった積み重ねで首こり、肩こりが起きてしまうのです。






原因1:作業姿勢が悪い

原因の1つ目は「作業姿勢の悪さ」です。

作業姿勢が悪くなると、首の後ろの筋肉に負担がかかり、痛みの原因となります。

具体的にどんな姿勢が悪いかというと、まず頭(顔)が前に出てきます。 すると猫背になり、肩や肘、手が内側に入ってきて、全体に背中を丸めて机に対して前のめりになります。

これだけでも首の後ろの筋肉に負担かけていますが、さらに肩をすくめるように力を入れて作業している人もいるのではないでしょうか(その場合は肩こりも一緒に起こります)。






原因2:ストレッチ不足

原因の2つ目は「ストレッチ不足」です。
仕事にしろ日常生活にしろ、人間は基本体の前面の筋肉をメインに使います。
ものをつかむ、字を書くなどです。
正確には身体の後ろ側の筋肉も使っていますが、後ろより前の方がよく使うため、筋力バランスは前の方が強くなってしまいがちになります。

同じ姿勢を取り続けると筋肉も縮んで硬くなります。
そうなると、次に動かす時に縮んだ部分でひっぱられてしまい痛みという症状につながってしまうのです。






作業姿勢のセルフチェック

原因のひとつに、「作業姿勢」がありましたが、ご自身でチェックできたらいいですよね。
そこで作業姿勢セルフチェックとして3つの項目を用意しました。

作業姿勢のセルフチェック

1.モニターが目線より下
2.キーボードが肘より下
3.ふとももが床と平行(になるように足の高さが調整されている)


それぞれ見ていきましょう!




1.モニターが目線より下にあるかどうか

モニターが目線より上だと首が後ろにそりかえった状態で作業することになってしまうばかりでなく、まぶたも上がり、ドライアイにつながる可能性も高まります。






2.キーボードが肘より下にあるかどうか

まずは肩の力を抜いて、肘をだらんと下ろしてください。
その状態で、キーボードが肘より上だと、腕が内側に入りやすくなるだけでなく、肩にも力が入りやすい状態になります。

最後は「ふとももが床と平行」になっているかどうかです。1と2を達成しようとすると必然的に椅子が高くなります。
そうなると足が床に届きにくくなり、太ももから膝はぶらんとぶら下がるようになります。

正しくは、膝が90度に曲がり、膝のましたにかかとがきている(股関節も90度)状態ですが、このように足が届いていない状況が続くと、今回の首こりとは関係ありませんが、腰に負担がかかり腰痛の原因にもなります。

腰痛に関してはこちらの記事から。
腰痛の原因・セルフケアや整形外科受診のタイミングを解説






首こりの予防

首こりにならないように、日々の作業姿勢を見直しましょう。
具体的には先ほどお話ししたセルフチェックの項目にある3つを見直していきます。

まず大前提として、作業姿勢を見直す際には、ノートパソコンではなく、キーボードとモニターを別にすることをおすすめします。
例え3つを達成したとしてもノートパソコンだとどうしても腕や手が内側に入ってきがちです。
その上で、まずはモニターが目線より下、キーボードが肘より下になるように、椅子をあげましょう。この時、肩の力をぬいて肘をだらんとした状態で確認します。

次に、その椅子の高さで膝が90度に曲がり、膝の真下にかかとくるように足台を設置しましょう。足台はダンボールでもかまいません。

最後に作業する際には、首の後ろを上から吊り上げられているかのように背筋を伸ばし、肩の力をぬいて作業をしてみてください。肩こりの予防にもつながります。






首こりのセルフケア

首こりの予防で、作業姿勢の見直しができたら、次はセルフケアです。
たとえ、正しい作業姿勢がとれていたとしても、同じ姿勢を取り続けると筋肉がこり固まったり、筋膜どうしが癒着したりして痛みの原因となります。

そこで重要なのが、ストレッチです。

ストレッチ方法

1.手のひらを上に向け、肘をひき、胸をはる
2.おへその下、おしりの穴にぎゅっと力をこめる
3.その状態で肩の力を抜く


この3つが効果的です。

1つ目は胸を開く動作です。
立ったまま、整列の時の「前へならえ」をします。
次に手のひらを天井に向け、肘を後ろにひきます。
この時肩甲骨を内側にぎゅっとよせるように肘をまっすぐ後ろにひくことがコツです。
胸を開くと腰がたち、猫背予防にもつながります。
その状態でおへその下、おしりの穴にぎゅっと力を込めます。
そうすると自然と肩の力を抜きやすくなります。最初は胸や肩甲骨を意識しますが、最後はおへその下に意識を集中するイメージです。

その状態で深呼吸をしてみるとストレッチ効果が上がります。
ぜひ、作業の間、30分から1時間に1回程度いれてみてください。きっと作業に集中して肩に力が入っていることにも気がつけるはずです。






首こりの治療法

首こりそのものは、身体に負担がかかった状態です。
度が過ぎると筋筋膜性疼痛症候群 MPSや筋緊張型頭痛などの病気にも発展します。

そうなると整形外科で内服や外用薬、リハビリなどの治療が必要です。
場合によっては癒着してしまった筋膜どうしを注射ではがす場合もあります。筋膜リリースなどと呼ばれる治療です。

ただ、薬や外用薬、注射などの効果は限定的で、外来で患者さんをみていて思うのは最も大事な治療はセルフケア(ストレッチ)や作業姿勢の見直しです。
あくまで、私たち整形外科医にできるのはそのサポートなのです。






アンカークリニック船堀での治療方針

アンカークリニック船堀では、まず首に何が起きているのか特定することから始めます。
筋肉や靭帯の痛みには超音波検査を用いて、痛みを出している部位を調べ、必要に応じてトリガーポイント注射を用いて癒着した筋膜を剥がしたりします。

先ほどあげた筋筋膜生疼痛症候群、筋緊張型頭痛以外にもさまざまな病気が首の周りで起こります。
まずは経過を伺わせてもらい、首のまわりで何が起きているのか、どうしてそうなったのかを特定します。
次に原因に合わせて、治療をしていきます。
症状によっては注射も考慮しながら進めます。
繰り返しになりますが、一番大事なのは自身の作業姿勢の見直しやストレッチです。一緒にどんな治療が必要か考えていきましょう。






痛みを感じたらすぐ診察を!

ここまで読んでいただきありがとうございました。整形外科医のアンカークリニック船堀 整形外科の藤井 達也です。
この記事ではいわゆる「首こり」について解説してきました。大切なのは日々の作業姿勢の見直しとセルフケア(ストレッチ)です。

セルフチェックのところをみながらご自分のデスク周りをチェックしてみてください。
そして、毎日のストレッチを通じて身体の状況を把握してみてください。
ストレッチをしても痛みが取れない時、自分の首の状況が知りたい時など、お気軽にアンカークリニック船堀までご相談ください。






参考文献

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18519100/
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18519100/






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